読書家廃業

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多読の良いところ、悪いところ4

1では目で追う事への慣れ、2では心構え、3では才能と努力について書きました。今回は感受性についてです。


多読の良い点4


いろいろな出典からのいいとこどりができます。しかも情報の吸収機構が確立されていますから、覚えようと努力する必要はなく、ほぼ無意識に吸収されていきます。ただ読むだけで、個々の情報間の関係性、時制、フローが自動的に頭の中で3次元マップ化されます。

これは、読み慣れない人が、資料ごとにメモを書き出し、その後でメモごとの関係を整理しようとして逆にごちゃごちゃとなっていく様子を見て気の毒になる事があります。


多読の悪い点4


一冊の本に影響されて、それだけを頼りに衝動的な行動を起こした経験が思い当りません。聞かれたらお勧めしたい良書や映画はもちろんありますけれども、それがきっかけで行動を起こされるとぎょっとしてしまいます。私には一冊の本を基に大きな決断なんて、多分できません。

一冊の本や映画に勢いづけられて、人生の進路を変えたりする人が眩しく思えます。


(私の場合)正味の新発想を思いつくことはないでしょう。ただし、情報の吸収機構が自動化されすぎた結果、出典や引用箇所がわからなくなってしまうことがかなり多いです。読んでいる間に気になった個所に付箋やマーカーを引くようにしても、途中でわずらわしくなって最後まで続きません。

単発の仕事でこんな感じですから、私の人生観は何でできているのか全く分かりません。わかっているのは、「稲森和夫に影響を受けました!」とか「孫正義に憧れています!」とかはっきり言える人がとてもうらやましいということです。

投資でも「ウォーレン・バフェット」とか「チャールズ・エリス」とか「ピーター・リンチ」とか、いつの日か有名どころのファンになりたいです。それぞれ読んでみたものの、自分が何派かわからないです。でも派閥に入った方が楽しそう。みたいな。
※投資に関しては凍結解除されたら自分の方向性も見やすいのかな?と思っています。

マーケティングだったら「フィリップ・コトラー」、マネジメントだったら「ピーター・ドラッカー」、成功哲学だったら「トニー・ロビンス」などがパッと出てくるものの、部下が反応しやすいっていうだけで、自分が好きってわけでもないしな~。

1週間かけて、私が最も影響を受けた本を考えてみたのですが、コレ!というものがありません。最も印象に残っているのは、「経営の未来」byゲイリー・ハメルかな?

「マネージメントをイノベーションせよ!」っていうわけがわからないサブタイトル(キャッチコピー)に腹を立てているところあたり、気に入っているに違いないし、かなり影響を受けているはずなのですが、その本ですら、人に差し上げちゃって、手元にないですからね~。

正直どのくらい影響を受けているのかよくわかりません。こういう出典に対する敬意の低さが生じちゃうのも悪いところだと思います。

紙の日記や非公開のBloggerには、その日に思ったことと、きっかけとなった出典を書くようにしています。出典の数を数えると、誰の影響を最も受けているかわかりそうですね。調べてみようかな。

多読の良いところ、悪いところ3

1では目で追う事への慣れ、2では心構えについて書きました。今回は、才能と努力について。


多読の良い点3


多読のいいところって、全く別の分野の手法や概念を自分野に展開する「素」がたくさんあることだと思うんです。単に他業種の成功例を自業種に展開してみるとかだけじゃなくて、孫子をビジネスに例えてみたり、科学の法則が顧客の動きに似ていたり、相場の格言なんて仕事にも生き方にもいろんなところに展開できちゃうし(師匠にしか通じないけど)。

私みたいにきらめく才能のない「直観力」の優れない人間でも、なんとかやっていけるのはこの展開力を駆使しているからであって、「よく勉強している」と言われる努力家タイプに写ることもあるようですが、ただ読書が趣味だっただけだったりします。

とてもお得です。


多読の悪い点3


上海時代の上司が、直観力というか、野生の感というか、とても才能きらめく最高にアートな(というか勝負師?)ビジネスパーソンだったのですが、沢山読んじゃうとこういう力は磨かれませんね。

同じ結論にたどりつくのに私の方が時間がかかります。多面的に検証して、最悪シナリオを想定して、念のためこけ方を考えて、ってボチボチやっているのが悲しくなります。それに小賢しい感じがします。

目的の場所に到達する最短ルートは一つだけなので、他の道は見えない方がいいかもしれません。

私はあきらめているのでいいのですが、上海時代の部下には考え方のコーチングしてしまったがために、才能きらめいていた部下を凡庸かつ無難な思考にはめ込んじゃったかもしれません。後から大いに反省してインド、イギリスではできるだけコーチングを少なくして、質問に徹しています。

また、物事の成功には、信念や勢いの方が大事だったりする場面も多々あるので、読書家より自信家の方が成功しやすいと思います。凡庸だから沢山読んで努力をしなければならないわけで、自信のなさを理論武装で補う必要のない人には、そのままきらめいていただかないとなりません。

多読の良いところ、悪いところ2

昨日は目で追うことについて、書いてみましたが、本日は心構え的なものです。


良い点2


興味のある分野の本を何冊も読んでいると、著者によって意見が違うことに慣れてきます。その結果、何事にも反対意見というか異なる意見が必ず存在するとの心準備ができています。多面的な見方をすることの面白みも味わえます。

聞く耳が育つ、とでも言いましょうか?
私は本をたくさん読んでいなかったら、聞く耳を育てられなかったんじゃないかと思います。

自分の意見を述べることに抵抗がなくなります。所詮意見の一つですから、参考までに面の一つとして挙げておくイメージです。採用されなくても左程気に留めません。あきらめたくない時だけ頑張って、そうでない時はさっと引く。

反対意見も大好きですし、他部署の直観的な感想は積極的に求めます。新入社員の意見が最も参考になります。いわゆるオープンマインドってやつです。日本語でなんと呼ぶのかわかりません。


悪い点2


気軽に自分の意見を言う人って、日本ではウケが悪いです。他部門の場合は「口出しするな!」とか、先輩だと「生意気だ!」とか。内容が悪いわけではなくて、「意見を言う」という行為がダメなんですね。

こういう世界では「意見は違うものだという観点」が大いに邪魔になります。なんか知らないうちに敵が増えていたりしますから。

同じ分野の本を3冊購入して、内容が全く同じだったらがっかりしませんか?
だから、意見を言うときは、賛成しつつも、違う視点を入れたりと、こちらは「サービス」で知恵を絞っているつもりなのですが、逆効果なんて、残念です。

アマノジャク扱いされるのも、無念です。

でも、そういう世界なんだから、調整しないといけませんね。

多読の良いところ、悪いところ1

最近まったく本を読まなくなってしまったけれども、これまでそれなりに読んだ方だと思います。ただ、多読もいいことばかりじゃないなと思うようになりました。


多読の良い点1


読書が苦痛じゃない。といっても読解力の話ではありません。文字を目で追うこと、文書に目を通す事が苦痛ではありません。

残念ながら、目を通すことが苦じゃないのは、今のところ「日本語」だけです。「英語」は億劫です。英文契約書で30ページぐらいが限界です。「中国語」は読む気がしませんから、「絶句」ぐらいが丁度良く、「律詩」の長さが限界です。各言語でそれぞれ訓練し直さなければならないのが残念です。(母国語のレベルにある程度牽引されると思いますが...)

最近入社したスタッフが驚くほど何も読みたがらないというか、ちゃんと読まないというか、顧客からの文書ですらそんな感じで困っています。ノンネイティブの私がネイティブの彼の為に読んで説明する流れが出来上がりつつあって、どうも納得がいかないのですが、字を目で追うのが得意じゃないのかも?

私の「中国語」レベルで読むのを嫌うので、読むスタミナって結構大事なんだなと感じました。


それから勤め先の優秀な人たちを見ていて思うのが、同じ文面を読んでも感情を差し挟まずに字面通りに読める人達であることが多いです。不優秀な人ほど、行間の読み方が感情的で、一人で沸騰していたりします。こういうのも読み慣れの差なのかな?っとうっすら思います。


多読の悪い点1


「読んで理解する人」、「聞いて理解する人」、「見て理解する人」といろいろだと思うのですが、読むのに慣れている人は、先の2つを網羅できる可能性があります。インド時代の上司1は、なんでも来いの凄い人でした!

「読んで理解する人」が能力開発に最も時間がかかる少数派と思われ、他のタイプの人とのコミュニケーションに苦労したりします。

読むことに親しんでいると、まず「文書」を探してしまうので、「口伝スタイル」に慣れている先輩方に睨まれます。先輩方が文書化していない事を責めている様に感じるみたいですね。責めてはいないですけど、あるべきものがないと気づいた時点で作るのの何が問題なのか?は、疑問です。ただ、「あるべき」だと感じているのは、私だけみたいです。

読みたがらない上記の部下を観察していて、先輩の口伝主義もこの辺りに由来しているのかもと、思い当りました。

あれ?
これまで「読んで理解する人」の方が多数派だったかも?
おかしいな…
「聞いて理解する」の方が、難易度が高いのかな?
私は、聞いてわからないというより、退屈になっちゃうので、ダメですね。


ま。謙虚な後輩から、「先輩、ここわからないのですが、お手すきの際に教えていただけますか?」みたいな事を聞かれて、「どれどれ、しようがないな~。明日の午後でいい?」なんて、初々しいやり取りを期待しているのかもしれませんが…

「暇人め!」と思っているのがにじみ出ちゃっている全く可愛くない後輩なので、嫌われちゃいます。
※欧州では、最も社歴が短く、駐在員歴が長い、扱いにくい後輩です。